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服屋

近所のアウトレット服屋でしか服を買わない。正月にしか行かない。俺は正月にしか服を買わない。その店は毎年三が日に福引セールをやっていて、会計の際にガラガラ回すやつができるのだが、そのガラガラ回しで見事当たりを引くと、なんとレジに持っていった商品が全品無料となるのである。店内にいると、結構な頻度で店員が大当たりの鐘を鳴らしているのが聴こえるので、やたら当たりを出していることが分かるのだが、いざ実際に自分が鐘を鳴らされると笑ってしまう。全部タダでーす!と元気よく言われる。真面目に商売をしろよ、と新年早々おめでたい気持ちになる。そこで買った膝下くらいまである軍服風の緑色のコートがあって、買った当時髪が肩下くらいまであったので、変質者を装えるという理由で気に入っていたのだが、自分はよく上着を失くすので(なぜ?)、例に漏れずそのお気に入りのコートも紛失してしまっていたが、最近になって知人の家から発掘した。現在は正気が戻って一般成人男性より少し短めくらいの髪型なので、超ロングの軍服コートを着ると増して気狂いの印象となると思うので外を歩くのが楽しみである。他にも冬に着るコートをいくつかその店で購入していて(アウトレットだからアホみたいに安い)、これまた一目惚れした皮物のコートを買って気に入って着ていたが、こちらは知人のバンドマンに、ライブハウスに置き忘れていたところをまんまと盗まれた。同い年の、女にモテるバンドマンに、アウトレット服屋で買った激安のコートを盗まれてしまった。そのイベントでは、DJが音楽をかける時間にクラフトワークのザ・ロボッツを流して主旋律をみんなで合唱しながら踊るノリが発生していて(あの曲歌あるんだからそういうのやるならそっち歌えや。歌詞知らねえのかよ)、本当に気分が悪くなって自律神経が失調してしまい、冬の帰り道で寒さを感じることができずコートを忘れたのに気がつけなかったのがいけなかった。本当に悔しい。俺は悔しい時に近所の自衛隊駐屯地に侵入する妄想をよくする。小学生のときに、規定より低空で行われている自衛隊の飛行訓練に対してのかなり長文な抗議文が小学生らしい筆跡で校区中の壁や地面に書き殴られていたのを覚えているが、その筆者と噂されていた発達障害の同級生も何か悔しい思いをしていたのであろうか。犯罪は、私たち悔しい思いをする側のためにあると思う。声を上げることのできる者たち、ザ・ロボッツの主旋律をグループで歌い騒ぐことのできる者たち、国防訓練に伴う爆音をむやみに垂れ流す者たちの物では決してない。騒ぐのが好きなだけの奴らは、大衆居酒屋の大部屋から出てこないでほしい、君たちはそれで事足りるのだから(飛行訓練はできないけど)。はなから間違った立場での行為なのだから、君たちの窃盗に私が過剰報復で返すことも、十分道理が通るはずである。突き止めて絶対に右左翼共に反撃の犯行を、正義の立場の犯罪を、目には目をの窃盗で、自衛隊駐屯地から盗み出した銃で、俺は……