洞窟で

 洞窟には歪んだ生き物が沢山います。

 溜息を何度も吐き、拝んだことのないお天道様に思いを馳せ、一日をただ過ごし、眠ります。

 一匹の山羊が迷い込みました。姿の見えない生き物に問います。

「よろしければ、食べ物をわけてもらえないでしょうか。お腹がすいて歩けないのです」

 混沌どもは答えます。

「太陽の明るさを教えてくれさえすれば、いくらでも分けてあげるさ」

 山羊は薄れゆく意識の中、答えました。

「太陽は神様のように、私たちに白い粉を浴びせます。あなた達もきっと気に入ることでしょう」

 溶解しかけの汚物たちは少し話し合い、

「それは私達の知る太陽ではない。この嘘つきめ」

と言い、その瞬間に山羊に群がり、少しずつ体を食べていきました。

 ああ痛い、ああ痛い。

 すっかり満腹のどろどろ達は眠ろうとしましたが、まだ何かそこにいるような気がして落ち着きません。そして体の中に蠢く者が這いずり回っているような気がして、吐き気を催してきます(もともと吐瀉物からできた彼らでしたが)。

「ああ、山羊は不味い。山羊は不味い」

 口々に彼らは言いましたが、どこからか聞こえてきます。不味いのはお前らの方だ。それは意識を侵略し語り懐かしくもおぞましいあの姿不味いのはお前らの方段々体が軽くぽうっとしてきて気が付くと腕が無不味いのはお前らの方だこのまま眠ってしまいそ不味いのはお前ら嗚呼助け不味いのはお前不味いのはお前らの方不味いのはお前不味いのはお前らの方不味いのはお前らの方だ不味いのはお前不味いのはお前らの方不味いのはお耐えられな前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らもうの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らのたくさんだ方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはケィお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不ェ味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らのこんな不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だア不味いのはお前らの方だんあうりえる不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの方だ不味いのはお前らの

 

 洞窟の中は静かです。